広告展開にみる戦略展開。
DoCoMo2.0のCMを見るとauの初期を思い出す。豊川悦司、永瀬正敏、浅野忠信がイメージキャラクターだった。CMそのものでは無く、狙おうとする方向性が非常に似てる。
別にauが時代に先んじた宣伝をしていた訳では無い。事業開始当時から今の今までDoCoMoは圧倒的なシェアを持っていたため、必然的に広告展開も『保守』にならざるを得ないところがあった。今のauが『お客さま満足主義』とか篠原涼子や速見もこみちなどのイメージキャラクターで『キレイ目』な広告展開しているのと近い。
アナログ方式からデジタル方式に全て切り替わったのは2000年頃で、今の各キャリアが出揃ってからの歴史はまだ浅く、各社に明確な色があった。DoCoMoをベーシックと考えて、Jフォン→ボーダフォンはイメージキャラクターを藤原紀香→ベッカム、伊藤美咲、岡田准一などで『OL』『国際標準』『カップル』あたりをウリにした。auは端末や広告で『学割』や『個性』など面白さや独自性を追求し、ツーカーは一貫して『安さ』と『シンプル』を強調し続けた。
この『らしさ』は転機が無いと変更し辛い。Jフォン→ボーダフォン→ソフトバンクの場合、買収のアレコレで方向性が色々と変わった。ベッカムがCMに出て『国際色』を謳ってた時が一番迷走してた気がする。日本のケータイは独自色が強いので反応は薄く、この辺りの広告展開は失敗したと言っていい。大きい転換期はボーダフォン時代の『Love定額』という仕組みで、ソフトバンク時代になってもその時の『喋り放題』というイメージを念頭に置いて広告やCMを作ってる。
auは『学割』という明確な違いを早くに出し、CMなどでは敢えて『業界2位』を強調したりと独自性が強かった。若者向けが当初から念頭にあったためか、広告展開も意欲的なものが多く面白さや奇抜さが目立った。明確な失敗を"まだ"していないので、純増数が増えてシェアを獲得していくうちに、挑戦的な流れから『着うた』や『GPS』などの商品をCMに組み込んだり、品質やサービスの向上を訴えつつ別の世代を取り込もうとする今の保守路線にゆるやかに変更した。妻夫木聡のCMあたりから徐々にズレはじめ、仲間由紀恵withダウンローズの解散で過去のそれっぽい路線は全て終了してる。auユーザーたる僕の個人的感想でいうと、あんまり楽しくない。
DoCoMoだけはずっと保守展開だった。『ビジネス』とか『ファミリー』など基本路線。母体が大きいのだから仕方ないのだけど。業界一位であり大きい転換期も少ないと他にやりようが無い。auに純増数を抜かれ、ボーダフォンがソフトバンクになったことで規模が大きくなり、MNPなどでキャリア流出が増えた今、ようやく大きな転機が訪れと言っていい。『さて、そろそろ反撃してもいいですか?』というキャッチコピーはDoCoMoでしか使えない言葉ではあるけれど、コケたら結構な人数の首が飛ぶように思える。逃げ場が無い。
もしこのDoCoMo2.0がコケた後、次に『じゃあ、ちょっと本気出してもいいですか?』とかコピー出したらDoCoMoに鞍替えする。惚れる。