不幸で、悲しい事件だった。
お風呂から上がってスウェットに着替える。解放されたなーと思う瞬間だ。見た目より機能を優先させたゆったり感。何より軽く外に出る程度なら問題無い、部屋着としてのポジションが素晴らしい。「外に出る」から「外を出歩く」になった途端にヤンキー御用達グッズなのもマーベラス。何故か灰色のスウェットを着てるイメージがあるんだけど気のせいだろうか。
今夜もお風呂上がりにそんな部屋着へ着替えつつ、お茶でも飲もうかと思って居間のコタツへと向かう。座るのも面倒なので立ったままポットの熱湯を急須に注いで少し待つ。左手に湯飲み、右手に急須。急須を傾けて緑茶を注ごうとした時だった。
『先に風呂入ればー。』
父上が母上に声をかけた。コタツで横になってた母上。起きようとするが腹筋的な問題で無理だったらしい。寝ぼけた頭で判断した結果、僕のスウェットを下に引っ張る事で起き上がろうとしたようだ。
まるでスローモーション再生のように、徐々に起きあがってくる母上。
それに応じるかように、徐々にずり落ちていくスウェット(下)。
数秒後、母上は起きることに成功した。
スウェットは明らかな人災によって地に落ちた。
あとお茶(熱湯)がテーブルと手に。