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酔い覚まし。

お酒を飲むとどうでもいい話ほど盛り上がる。アルコールによる判断能力が低下した頭だと、小粋な冗談よりシンプルな馬鹿さ加減と話の勢いに軍配が上がるからかもしれない。そんな感想を抱かせる程度には、自分の目の前を歩いてるサラリーマン達は楽しそうに見えた。時間を逆算すれば、恐らく飲み終わってこれから帰るか、今から二次会をと考えてる集団だろう。

人数は6人。性別は男女3人ずつ。全員30以上40未満らしき年齢。大声を出しつつ笑いながら歩いている。一人は既に千鳥足だ。連休中のテンションを維持できているようで羨ましい。明日の朝は今朝以上に鬱々としてるかもだけど。そんな千鳥足の人がふと思い出したように会話を始めた。

「そうそう!僕、こないだ20万円を手に入れ損ねたんですよー!」

周りの同僚っぽい人達が、次々に『マジで!?』『うっそー』『どうして!?』などと声を発する。確かに結構な金額である。次々と反応があったのが嬉しかったのか、千鳥足の人は「競馬なんですけどねー。」とさらに話を続け出す。周りの反応はさらにヒートアップ。次々に『大穴言う奴やー!』とか『別の馬買って負けたんか!』などと千鳥足の人に向かって言っている。

「いやーいつも家で予想しつつ見ててさー。あの時買ってたらなー。」

会話が一瞬止まり、その後全員から『えー。』
えー。