身も凍る恐怖。
(怖い話を聞く時のイメージで読み進めてください。)
世の中には定時キッカリに帰る人もいれば、夜遅くまで働いてる人もいる。僕も無茶苦茶とはいわないけれど、世間一般というフィルターを通せば、割と遅めの帰宅にカテゴリーされている方だ。
そんな定時組はとっくに家でくつろいでる時刻。今日の僕が何をしていたかといえば、普段の帰宅が僕よりさらに遅い(そして朝は早い)という、色んな感覚が狂ってる仕事先に向かっていた。実際、そのうち過労死が出そうな職場ではある。帰宅ついでに書類を届ける旅路。ビルそのものの入口が閉まってるので、裏口から入ってエレベーターのボタンを押して待つ。そこのエレベーターは入口にガラス窓が付いているので、誰か乗っていると分かるようになっている。十数秒後降りてきたエレベーターには、この時間には珍しく誰か乗っているみたいだった。
そこから先は時間にすると数秒の出来事。でも妙に長く感じたのでハッキリ覚えてる。まずエレベーターが降り切るまで、その人影は僕に背を向けていた。エレベーターの奥は鏡になっているので、その鏡をジッと見ていたらしい。そして僕からはその鏡がハッキリと見えた。眼鏡をかけた、黒髪の、今にも消えてしまいそうな印象のある、とても大人しそうなOLさん。そのOLさんが…
鏡に超笑顔でポーズを決めていた。ものすごい「しな」を作ってる。身体は若干斜めに向けてるのに、顔は鏡を凝視しているので全く僕に気付いていない。その笑顔のまま、身体を反転させ、僕を見て凍りつき、一瞬で幽霊に遭遇したような表情になって去っていった。
キャー!!