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心に残る数十円。

大量に駄菓子を購入する機会があった。大きいビニール袋いっぱいに2つほど。小学生が吟味を重ねるその横で、選り好みをしないでドカドカとカゴに放り込む優越。ザ・大人買い。それでも値段は数千円程度に収まってしまうのが駄菓子の凄いところだ。駄菓子に懐かしさを感じない大人は少ないと思う。小さい頃にあったものが、そのまま大人になっても存在している素晴らしさ。たかが駄菓子、されど駄菓子だ。記憶に刻まれた思い出補正を舐めてはいけない。

こんなことがあった。僕の地元では年に何回か地域でのお祭や催しがあるんだけど、その際には子供達を集めるために駄菓子のセットを用意する。透明の袋に包まれていて、駄菓子の総額は2~300円程度。それが何百セットと用意される。催しが終わったあとで、子供達に配って『おつかれさま』と『またきてね』の慣習を植えつけるのだ。

安いとはいえ、駄菓子も数が揃えば費用がかさむ。その催しを企画する自警団の団長が、数年前に切り替わったのを契機に、一度駄菓子のランクを下げたことがあった。マイナーなメーカーの比率が増えたため、少し残念に感じた記憶がある。するとその催しを終えた次のイベントでは、目に見えて参加する子供の数が激減した。大人サイドからの要望もあって、次の年から駄菓子セットはまた元に戻ったんだけど、あの時は駄菓子スゲーと思った。子供だからこそ、駄菓子に対する気持ちは強いのかもしれない。

最近では生計を立てるのが難しいのか、駄菓子屋も随分減った。どうか負けずに頑張って欲しい。そんなことを思い出して、若干ノスタルジックな気持ちになりながら、カゴの中に『おっぱいチョコ』を放り込んだ。つかみ取り。