刻まれたDNA。
薬を飲むときは『水』か『白湯』で。昔からよく聞く言葉だ。とはいえ水以外で飲んでる人も大勢いるだろうし、実際水じゃなくても概ね大丈夫なものらしい。よくお茶と一緒に飲んではいけないとか聞くけど、あれは鉄剤に含まれる鉄分がお茶のタンニンと結合するからだとかなんとか。なのでその手の注意事項があるときは医者から一言あるだろうし、留意しておけば大丈夫なんだろうけど、他にもグレープフルーツジュースと一緒じゃダメだとか、牛乳はダメだとかもあるらしいので、やっぱり水で飲むのが一番らしい。
母上は絶対に水か白湯で飲む人なので、僕もそういう風に育てられた。今でも水以外で飲むときは若干ためらいがあったりする。とはいえ手っ取り早く手元に水以外の飲み物がある場合、やはりわざわざ飲み水を用意するのは面倒なのでそのまま飲んでしまう。というより、水道水を直接飲まなくなったのが非常に大きい。白湯を用意する手間を考えたら、そりゃ近くにあるお茶で飲むよねという。
数ヶ月前に花粉症の薬を飲んでたとき、上記の理由で食事に出てたお茶で薬を飲もうとした。実家だったのでそれを見てた母上が驚き「お茶はアカンよ、白湯用意するから待っとき!」と言って席を立った瞬間に、「えぇよ。このまま飲む。」と言って薬を飲み込んだ。貰った薬はその日にググってる。これも抗アレルギー薬だし問題はない。だがそんなこと母上は知らない訳で。飲んでしまったのは仕方ないと座り直し、あきらめたように呟いた。
『…そうか。アンタもお父さん側の人間なんやな。』
微妙に裏切られた感のある表情をしていた。なんだよその二時間ドラマ風。