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覚えども覚えども。

最近会社で使用してるパソコンを新しくしたので、ソフト類を全てアップグレード、もしくは別のソフトに切り替えた。一気に変更しなければならないのは仕方ないけど、なにせ勝手が分からないから仕事の作業効率が極端に落ちている。当社比3倍くらい。赤い彗星とは逆のベクトル。雑魚でーす。

前のソフトなら思い出すまでもなく指が勝手に動くような作業まで、調べたり比べたりしながら一つずつこなす毎日。なんとなく入社当初を思い出してしまう。

面接のときに『ウチがメインで使ってるソフトは×××なんだけど大丈夫?』と、使ったこと無いソフト名を言われ、適当に「あー楽勝ですよ。」的な答えをしたのが非常に不味かった。後日急に仕事を振られてしまい、でもソフトの機能を理解できないので何一つ出来ないという展開に。とにかく今日一日を乗り切ろうと『パソコンが調子悪くてやたらフリーズするんです作戦』を決行、何とかその日を乗り切った。帰りしなに参考書を2冊買い、徹夜で頭に叩き込む。あの集中力を今後出すのは難しいかもしれない。実際、次の日から意外となんとかなった。一年目の新人に大きい仕事が来ないのが最大の理由だけど。

あれから5年も経過したが、その参考書は今も会社の片隅に置いてある。同じくそのソフトを使ったことの無いまま入社してきた後輩に貸したら、会社の備品と思われたのか本棚へ返却。僕も持って帰るのが面倒なんでそのまま放置してる。今回そのソフトも切り捨てる予定なので、そのうち参考書も捨てられるだろう。

今は別の新しい参考書を手に持って仕事してる。以前のような必死さは無いけど、自分で判断できる裁量と、クライアント先への言い訳の数は年々増えてるんで多分問題ない。僕より後輩が大変そうな雰囲気。覚えかけてたソフトが切り捨て。超報われない。

こないだも思ったような操作が出来ないからか『何か煮詰まってるんですけど、どうしたらいいですかねー?』とアバウトなアドバイスを求められた。自らの経験則を踏まえて「明日の自分に期待して、今日は帰る。」と堂々と答えたら苦笑で終わった。

嘘を言ったつもりは無いのに。その日僕だけは定時で帰宅した。
次の日泣きそうになった。