星は落ちる。願いを込めて潰える。
デパートで笹と短冊を見かけた。そういえばもうすぐ七夕だ。書くべきか書かざるべきか数秒悩んだけども、やはりイベント事には積極的に関わっていかなければ魂が枯れる。できるだけ目立つ色のペンを選び、意気揚々と願いを込めてみた。
他の短冊を眺めてみると、やはり子供の字が多い。「空手がうまくなりたい」とか「もっと背が伸びて欲しい」とか、ピュアな願いで笹は埋められている。そんな純真な短冊を横目に、デカデカした字で『夢が欲しい』とだけ書き記す。これが二十代も後半に差し掛かった人間の苦味とコク。割と本気なのが報われない。
書いた短冊は当然吊るす。どうせならと一番目立ちそうな笹の葉を選び、誰もが読めるように先の方へと括り付ける。後ろを向いてしまわないように位置を微調節するのも忘れない。で、丁度イイ位置に落ち着いたと思った瞬間、左手付近で『ブチッ』と言う音。
千切れて左手に収まった笹。地面に落ちた"夢が欲しい"という短冊。