善意と偽善と。
玄関のドアノブにビニール袋が引っ掛かっていた。スーパーで貰えるような白いやつ。何だろうかと思いつつ中を見ると、近くの餅屋さんで売っている草餅とみたらし団子だった。走り書きのメモも一緒に入ってて、中身を要約すると「留守みたいなので置いておくよ。ケータイに連絡入れるよ。」とか書いてある。キミちゃんが置いたそうだ。
お土産を持って寄ったけれど、不在だったため置いていったという事か。事情は大体飲み込めた。バッチリと言ってもいい。僕がキミちゃんの事を全く知らない以外は。前の住人宛なんだろな多分。どうしようコレ。
善意を捨てるのは少しばかり気が咎める。とりあえず偉い人にでも訊くかと思い、次の日(団子見つけたのは夜)に大家さんに連絡してみた。筋違いかもしれないけれど、前の住人は結構長い事ここに住んでいたと聞いた。マンション管理してるのも大家さんなので、何か進展するかもしれない。
Q.どうしたモンでしょうか?
A.そちらで処分してください。
速攻で袋小路。まぁコレ以上こちら側からアプローチしても仕方ない。やることはやった。団子&草餅は処分することにしようじゃないか。さて問題はどうやって処分するかだ。僕の中の『もったいない精神』が鎌首をもたげている。何より非常に美味しそうである。ジュルリ。涎が出そうだ。ジュルリ。食べたい。
どうしても食べたくなったので、同じ餅屋の同じ商品を速攻で買いに行った。問題のブツは破棄。どれだけ低かろうがこの手のリスクは拾わぬ。美味しかった。