« お約束。 | メイン | それが答えだ。 »

おひとよし。

昼休憩という自分解放タイムを満喫するため、某超高層ビルの屋外開放敷地にて一服。ベンチがあるのでよく利用している。天上の美味さを誇るカロリーメイト(チーズ味)をパクつきながらボケーっとしていると、大型スクーターを必死で押してる非力なお兄さんが目の前に現れた。キョロキョロと辺りを見回したあと、僕に向かって問いかける。「あのぅ、この辺に駐車場というか駐輪場は無いでしょうか?」

この敷地を開放している目の前のビルに用があるそうで、大型バイクを置ける場所を探しているのだけれど、見つからないのことだった。見渡してみると確かに無断駐輪してる自転車は嫌になるくらいあるものの、バイクの姿は見あたらない。10分ほどで済む用事なので、その辺に駐車しようと思いつつも、違反切符を考えると…と葛藤してしまっているそうな。なんとなく気持ちは分からなくもない。

駐輪場のアテはあったけど、大型バイクが止められるかどうかまでは記憶していなかった。不確かな情報を教えるのもアレだし、どうせ普段から無為に過ごしている昼休憩。半端な偽善者を自称する身として「じゃあ見といてあげますよ。」と申し出てみる。急いでそうだし、本人曰く7~8分で済む用事とのこと。「いやー兵庫の田舎から出てきたもんで、何が何だか…」とわざわざ口に出して言うあたり、悪い人でも無さそうだし。

ビル内のエレベーター位置なども教えてあげつつ、気長に待ってみる。もちろん警備員さんがやってきての「このバイク、お兄さんの?」というイベントも笑顔で乗り切る。超余裕。とはいえ当初の8分を過ぎてもお兄さんは帰ってくる気配が無い。半ば予想していたけれども。流石に寒かったので熱いコーヒーが飲みたくなったけど、少し歩かないと自販機は無い。この辺でほんのちょっと後悔した。

もちろん自分から言い出した事であるので、責任持ってさらに待つ。8分どころか3倍の24分以上待機してみたけど帰ってきそうにない。残念ながら昼休憩のタイムリミットになってしまったので席を立つ。少しばかり忍びないが仕方ない。半端な親切はやっぱイカンね。グダグダになる。さらばだ名も知らぬお兄さん…と会社に戻ろうと歩き出した瞬間、お兄さんが帰ってきた。僕を見て「見てて貰えたんですか!?」と驚いている。無論ですよ。世の中そんなに冷たくないスよ。

なんだか妙にのほほんとしたお兄さんで、その後に出てきた言葉が「…このビルに勤めてらっしゃるんですか?」だった。変な人確定なので、時間があれば少しばかり世間話でもしたかったけれど、そうも言ってられないので適当に挨拶をして立ち去ることに。丁寧にお礼を言ってもらえたので割と満足。身体は冷えたが心は温かいぜ。うむ、やはり偽善は良いものですね。

オチは特にありません。好感度を上げたいからです。