それが答えだ。
最近ちょっとした伝言用のメモに使ってるのが『印刷せんか紙』で出来たメモ帳。天糊製本(上部にだけ糊がついてて、一枚ずつ切り取れる伝票のような綴じかた)になっていて、それなりに使い勝手が良い逸品。印刷せんか紙を簡単に説明すると、少年ジャンプとか少年マガジンに使われてる色の付いたザラ紙そのもの。薄い赤とか緑とかのヤツ。上質感はゼロだけど、雰囲気があるので気に入っている。
この紙が色付きなのには理由があって、まず新聞古紙や印刷工場から出る"断ち落とし"部分の余った紙を原材料にしているため、紙としてのレベルが低く、その紙を脱墨して白くするのも難しい。なので色を誤魔化すために着色するのだけれど、色を変えるにしたって統一するよりはバラけてた方が、誌面としてのメリハリがつく。そんな複数の利害でもって、今の状態に落ち着いているのだけれど、もちろん少年誌がこの紙を使っている最大の理由は、コストが安くつくからであります。
紙にも色々ランクというか値段の差があるものなので、雑誌を見るときに少し注目してみると面白いかもしれない。乱暴に言うと『分厚くて白くて写真が綺麗に印刷出来ると高い』んだけれど、モノによってはそうでない時もあったりする。正直見た目がほぼ変わらないのに値段が違う紙も多数。大事なのはバランスで、白さ・厚さ・質感・色の再現性・写真の発色具合などを、値段という天秤にかけた結果がお手元にある雑誌の紙。ただ創刊・リニューアル時に編集長の一存で決まっちゃう事も無くはない。
人間の心理とは面白いもので、薄くて発色の良い高い紙を使っていた情報誌が、競合誌に迫力負けしないように、無駄に分厚くて発色の良い安い紙に変えてみたら、売り上げがあがった例なんてのもある。じゃあ分厚い方がいいじゃんとか思うのだけれども、紙が厚いと本が重くなるから、今度は別の部分で敬遠される事になったりもする。料理を美味しく見せたり、手にとって触って「何かイイな」と感じたり。普段は意識しない背景である紙が、人間の心理に作用する事は案外多いのだ。
水に濡れてバリバリになったエ口本。つまりそういうことである。